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「できれば平屋に住みたい」
家づくりを考え始めたとき、そんな希望を持つ方もいらっしゃると思います。
階段の上り下りがなく、生活に必要な場所がワンフロアにまとまった平屋。
家事や生活の移動をコンパクトにしやすく、将来の暮らしまで考えて平屋に魅力を感じる方もいるでしょう。
一方、実際に土地探しや資金計画、間取りづくりを進めていくと、
「希望する平屋を建てるには、もう少し土地に余裕がほしい」
「駐車スペースや庭まで考えると、建物とのバランスが難しい」
「予算や必要な部屋数を考えると、2階建ての方が計画しやすそう」
など、さまざまな条件から2階建てを検討することもあります。
では、平屋を選ばなかったら、“1階を中心に暮らせる生活”まで諦めなければならないのでしょうか。
そんなことはありません。
2階建てでも、LDKや水まわり、ランドリースペース、日常的に使う収納などを1階にまとめることで、普段の生活の多くを1階で完結させる間取りを考えることができます。
それが、今回ご紹介する「1階完結型の間取り」です。
大切なのは、平屋そのものを2階建てで再現することではありません。
まず考えてみたいのは、
「なぜ平屋に住みたいと思ったのか?」
ということ。
階段を使う回数を減らしたい。
洗濯をワンフロアで済ませたい。
家事動線をコンパクトにしたい。
将来もできるだけ1階中心で暮らしたい。
もし平屋に魅力を感じた理由がこうした「暮らし方」にあるのであれば、2階建てでも取り入れられることがあります。
今回は、土地や予算などから2階建てを検討している方にも知っていただきたい、1階完結型の間取りの考え方をご紹介します。

平屋を希望する理由は、ご家庭によってさまざまです。
平屋ならではの外観が好きという方もいれば、
「階段のない暮らしがしたい」
「洗濯物を持って1階と2階を往復したくない」
「将来、階段の上り下りが負担にならないか心配」
といった暮らしやすさを重視している方もいるでしょう。
そこで一度、
「平屋という建物に住みたい」のか、
「平屋のような暮らし方がしたい」のか
を分けて考えてみるのも一つの方法です。
もちろん、平屋と2階建てがまったく同じになるわけではありません。
2階に寝室や子ども部屋があれば、それらを利用するときには階段を使います。
それでも、
食事・洗濯・入浴・身支度・日常的な収納
などを1階に集めれば、日中の多くを1階で過ごす間取りは考えられます。
平屋を選ばなかったからといって、平屋に求めていた暮らしやすさをすべて諦める必要はありません。
1階完結型には、「この部屋を必ず設ける」という決まりがあるわけではありません。
この記事では、日常生活で頻繁に行うことを、できるだけ1階で済ませられるようにした2階建ての間取りとして考えてみます。
例えば1階に、
LDK、キッチン、トイレ、洗面、脱衣室、浴室、ランドリースペース、日常着を収納するファミリークローゼットなどを配置。
2階には、寝室や子ども部屋などの個室を配置します。
こうすると、食事・洗濯・入浴・身支度といった普段の生活の多くを1階で行えるようになります。
さらに1階に寝室、あるいは将来的に寝室として使える部屋を確保できれば、家族構成や年齢の変化に合わせて、より1階中心の生活へ移行することも考えられます。
1階完結型を考えるうえで、大きなポイントになるのが洗濯動線です。
例えば、
1階で洗濯する→2階へ洗濯物を運ぶ→干す・乾かす→取り込む各部屋へ収納する
という間取りでは、洗濯のたびに上下階を移動することになります。
もちろん、この動線が生活に合っているご家庭もあります。
一方で、
洗う → 干す・乾かす → しまう
までを1階にまとめれば、洗濯物を持って階段を移動する回数を減らしやすくなります。
例えば、
脱衣室 → ランドリースペース → ファミリークローゼット
を近くに配置する方法です。
当社でもここ数年、ランドリースペースやファミリークローゼットを取り入れた間取りをご相談いただくことがあります。
ただし、重要なのは「ランドリールームがある」「ファミクロがある」という部屋の数ではありません。
洗濯という一連の家事が、無理なくつながっているか。
ここを確認することが大切です。
次は朝の生活を想像してみましょう。
2階の寝室で起きる。
1階へ降りる。
顔を洗う。
朝食を食べる。
着替える。
出かける。
ここで、普段着や仕事着がすべて2階にあると、タイミングによっては着替えるためにもう一度2階へ戻ることになります。
一方、普段よく着る衣類を1階のファミリークローゼットなどに収納しておけば、
洗面 → 着替え → 朝食 → 玄関
といった動線も考えられます。
帰宅時も同様です。
玄関 → 手洗い → 着替え → LDK
という流れがスムーズなら、家の中を何度も行き来する必要が少なくなります。
「1階完結」と聞くと大掛かりな間取りに感じるかもしれませんが、こうした毎日の小さな往復を減らすことも、1階完結型を考える目的の一つです。
2階建てだからといって、一日に何度も2階へ行かなければならないわけではありません。
例えば2階を、
寝室・子ども部屋など、就寝やプライベートな時間を過ごす場所
として考えます。
そして1階を、
食事・家事・入浴・身支度・家族で過ごす場所
とする。
このように1階と2階の役割を整理すれば、日中は1階を中心に過ごし、必要なときに2階を使う暮らし方ができます。
これは平屋とは違いますが、平屋に魅力を感じていた理由の一部を2階建てにも取り入れるという考え方です。
家を建てたときと、10年後、20年後では、家族の暮らし方も変わります。
子どもが小さい時期。
子どもが個室を使う時期。
子どもが独立した後。
夫婦二人になったとき。
さらに年齢を重ねれば、階段の上り下りを今より負担に感じることも考えられます。
水まわりや日常的に使う収納が1階にまとまっていれば、将来的にも1階中心の暮らし方を検討しやすくなります。
ただし、完全に1階だけで生活するには「寝る場所」も必要です。
将来的に1階だけで暮らすことまで想定するのであれば、
「1階に寝室をつくる」
だけでなく、
「今は別の用途で使い、将来は寝室として使える部屋を設ける」
という考え方もあります。
現在の便利さだけでなく、将来どのように使い方を変えられるかまで考えておくと、間取りの選択肢が広がります。
「それだけ1階に集めるなら、やっぱり平屋の方がいいのでは?」
と思う方もいるでしょう。
ここで大切なのは、どちらが優れているかではなく、土地・予算・必要な部屋数・暮らし方などとのバランスです。
平屋は、基本的に生活空間を一つの階にまとめます。
そのため、希望する床面積や部屋数によっては、建物を配置するために必要な土地の条件も変わります。
さらに土地には建物だけでなく、
駐車スペース、アプローチ、自転車置き場、庭なども必要になることがあります。
一方、2階建てなら寝室や子ども部屋などを2階へ配置し、1階には日常生活でよく使う場所を優先的に配置することができます。
つまり、
平屋か2階建てかだけで考えるのではなく、「1階に何があれば自分たちは暮らしやすいのか」を考える。
これが1階完結型のポイントです。
1階完結型を検討すると、
「寝室も1階に必要?」
「ファミクロもランドリーも必要?」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、すべてを1階に集める必要はありません。
例えば、平屋に魅力を感じた一番の理由が、
「洗濯物を持って階段を上り下りしたくない」
ということなら、
洗濯だけを1階で完結させる
方法もあります。
洗う。干す・乾かす。しまう。
ここまでを1階で済ませ、寝室や子ども部屋は2階にする。
これだけでも、日々の家事動線は変わります。
「完全な1階完結」を目指すのではなく、
自分たちが負担に感じる生活動線から、優先的に1階へ集める。
この考え方なら、限られた床面積の中でも検討しやすくなります。
ここは、1階完結型を検討するときに特に注意したいところです。
「ランドリールームがほしい」
「ファミリークローゼットもほしい」
「パントリーもほしい」
「和室もほしい」
「将来の寝室も1階にほしい」
「玄関にはシューズクロークもほしい」
一つひとつは便利そうな空間です。
しかし、すべてを1階に配置すれば、その分だけ1階に必要な面積も増えていきます。
その結果、
LDKが希望より小さくなる。
収納や通路が複雑になる。
建物が大きくなる。
駐車場や庭とのバランスが難しくなる。
といったことも考えられます。
1階完結型=全部1階に置く間取りではありません。
何を1階に置くと、毎日の暮らしが一番ラクになるのか。
ここに優先順位をつけることが重要です。
1階に多くの機能をまとめると、それぞれをつなぐ動線も必要になります。
そこで、
「廊下を減らして効率的な間取りにしよう」
と考えることもあるでしょう。
しかし、廊下を減らした結果、
玄関から洗面へ行く人。
ファミリークローゼットへ行く人。
2階へ上がる人。
トイレへ行く人。
こうした動線がすべてLDKを横切る間取りになることもあります。
以前の記事でもご紹介したように、廊下が少ないことと、暮らしやすいことは同じではありません。
例えばリビング階段を採用する場合も、階段までの動線がソファやテレビの前を横切らないかなど、家具を置いた状態で確認しておくことが大切です。
1階完結型だからこそ、「部屋が近いか」だけではなく「人がどこを歩くか」まで見ておきましょう。

1階完結型と相性の良い収納として、ファミリークローゼットがあります。
ただし、1階にファミリークローゼットをつくれば自動的に家事がラクになるわけではありません。
例えば洗濯を優先するなら、
ランドリー → ファミリークローゼット
を近くする。
帰宅後の着替えを優先するなら、
玄関 → ファミリークローゼット → 洗面・LDK
という動線を考える。
朝の身支度を優先するなら、洗面やLDKとの位置関係も重要になります。
ファミリークローゼットは、
何を収納するか
誰が使うか
いつ使うか
によって、使いやすい場所が変わります。
「ファミクロをつくりたい」から考えるのではなく、生活動線から場所を決めることがポイントです。
コーセーホームではここ数年、30~40坪程度の敷地で家づくりを計画するケースも多くあります。
こうした土地で1階完結型を考える場合にも、
「全部1階に入るか?」
から考えるのではなく、
「何を1階に置けば、わが家の暮らしがラクになるか?」
から考えることが大切です。
例えば、
LDKと水まわりは1階。
洗濯も1階で完結。
普段着も1階に収納。
寝室と子ども部屋は2階。
という考え方もあります。
反対に、将来の生活をより重視するなら、1階に寝室として使えるスペースを優先し、ほかの収納をコンパクトにするという選択肢も考えられます。
土地の面積だけでなく、土地の形状や建築条件、希望する建物、駐車台数、外構などによっても計画は変わります。
だからこそ、1階完結型という間取りの「型」に家族を合わせるのではなく、家族の暮らしに合わせて1階の役割を決めることが大切です。

平屋と2階建てで迷っているなら、間取り図を見る前に一度、
「なぜ平屋がいいと思ったのか」
を書き出してみるのがおすすめです。
例えば、
「階段の上り下りを減らしたい」
「洗濯をワンフロアで済ませたい」
「家事動線を短くしたい」
「家族の気配を感じやすくしたい」
「将来も1階で生活できるようにしたい」
などです。
そして、その希望が本当に平屋でなければ叶わないのかを一つずつ考えてみます。
洗濯なら、
脱ぐ → 洗う → 干す・乾かす → しまう
を1階でつなげられないか。
朝なら、
起きる → 洗面 → 着替える → 食べる → 出かける
という動線をどうすればシンプルにできるか。
将来なら、
1階に寝られる場所を確保できるか。
こうして「建物の形」ではなく「暮らし」から考えていくと、平屋か2階建てかだけでは見えてこなかった選択肢が見つかることがあります。
平屋に憧れて家づくりを始めても、土地や予算、必要な部屋数、駐車スペースなど、さまざまな条件を考える中で2階建てを選ぶことがあります。
でも、そこで一度考えてみてほしいのが、
「なぜ平屋にしたかったのか?」
ということです。
もしその理由が、
階段を使う回数を減らしたい。
洗濯を1階で完結させたい。
家事動線をコンパクトにしたい。
将来も1階中心で暮らしたい。
という「暮らし方」にあるなら、2階建てでも取り入れられることがあります。
すべてを1階に配置する必要もありません。
洗濯だけ1階で完結させる。
普段着まで1階に収納する。
将来寝室にできる部屋を用意する。
それぞれの家庭に、それぞれの「ちょうどいい1階完結」があります。
平屋にすることが目的ではなく、平屋に魅力を感じた“理由”を家づくりに取り入れる。
土地や予算などから2階建てを選んだとしても、平屋に求めていた暮らしやすさまで、すべて諦める必要はありません。
2階建てのメリットも活かしながら、自分たちらしい「1階完結型の暮らし」を考えてみてはいかがでしょうか。
▶ 廊下は少ないほどいい?廊下を減らした間取りのメリットと注意点
1階に生活機能を集めるときは、廊下や通路をどうするかも重要です。廊下を減らすメリットだけでなく、音・視線・プライバシーなど、廊下が持つ役割についても解説しています。
▶ リビング階段は後悔する?メリット・デメリットと間取りで注意したいこと
1階中心の生活を考えるからこそ、2階へつながる階段の位置も大切です。リビング階段を採用するメリットと、音・におい・冷暖房・家具配置などの注意点をご紹介しています。
▶ 回遊動線は本当に必要?便利な間取りと「ただ廊下が増える間取り」の違い
1階完結型と一緒に検討されることもある回遊動線。「一周できること」ではなく、毎日の移動が本当にラクになるかという視点から考えます。
▶ ファミリークローゼットで後悔する5つのポイント|失敗しない間取り計画とは
1階完結型にも取り入れやすいファミリークローゼット。広さだけでなく、洗濯・着替え・収納の位置関係から使いやすい間取りを考えます。
▶ 30~40坪の土地で何を優先する?全部を叶えようとしない間取りの考え方
1階完結型を考えるときにも重要になる「面積の配分」。LDKや収納、家事スペース、駐車場など、限られた土地の中で何を優先するかをご紹介しています。